美容師、新聞記者という異色の経歴を経て
美容師に憧れて地元・北海道の美容学校に進み、ヘアサロンへの就職後はスタイリストを目指しました。3年を経てスタイリストへの昇進が決まったのですが、ここで一旦気持ちがリセットされます。冷静に将来のことを考えると、勤務時間が長くて週末もなかなか休めない仕事を続けるモチベーションが持たず、父や兄のような会社勤めをしたいと思うようになってしまったのです。美容師を辞めることを伝えたお客さんから、「うちの会社で求人しているよ」とお誘いを受け、二つ返事で会社員の道に進むことになります。
新しい勤務先は会社といっても少々特殊で、スポーツ新聞の北海道支社でした。ここで編集記者として主に芸能面の記事を担当することになります。もともと人と接することが好きなので、初対面の方への取材機会が多い記者の仕事は肌に合っていたと思います。唯一の悩みは、人手が必要なときにスポーツの取材に駆り出されること。当時、私は野球やサッカーなどの知識がほとんどなかったのです。失礼がないよう必死に勉強して、一通りのルールは覚えました。無我夢中でしたが、充実した日々でしたね。現在メジャーで活躍する某選手に会うこともできましたし(笑)。でも、1年ほどで疑問を感じるようになってきました。
会社員とはいえ、記者の仕事は勤務時間があってないようなもの。夜遅くや早朝に取材先へ出向く「夜討ち朝駆け」が当たり前で、夜中に電話があり、「明日の朝5時起きで現場に行って」といった急なオファーは非常茶飯事です。私が思い描いていた“9時5時”の会社員像とは程遠かったので退職を決意しました。実は父も兄もNTT系の会社で働いていて、小さいころから見聞きしていたその姿が理想とする会社員像だったんだと、このときに気づきました。そして私の窮状を見かねた父から、新しい仕事先を紹介されます。
ここなら働きやすいだろうと父が紹介してくれた会社が、NTTコミュニケーションズの音声サービスの開通を手掛けているSOセンタでした。
“人見知りゼロ”のムードメーカーが仕事を回す
センタでは、お客さま対応の仕事を担当することになりました。勤務先は札幌だったのですが、当時、東京に業務を移管する話が出ていました。私も札幌から東京に生活拠点を移し、業務の立ち上げに携わりました。その後東京でSOを実施しながら改善サイクルをまわし、業務を効率化した後に再び札幌に戻すことになります。
一連の業務移管を手がけて、2016年に正社員となった後、印象に残っているミッションがありました。NTT Comの音声システムに高い負荷がかかるトラブルが発生し、収容する装置の移動をお客さまにお願いする必要が出てきたのです。お客さまの都合に合わせて調整する従来の開通業務とは異なり、こちら側の都合でお客さまに設備の移動をお願いする業務です。本来の業務とは関わりのないミッションだったのですが、これまでの経験が買われて白羽の矢が立ちました。
やるからには完璧に成功させたいという思いから、メンバーと一緒に電話応対のシナリオをつくり、声のトーンや話すスピードなどを徹底的に練り込みました。その苦労が実り、お客さまの協力を得て、滞りなく負荷を軽減することができました。いまでも、このミッションのMVPは私たちのチームのユーザー対応だと思っています。こうした業務はもちろん、通常業務においても仕事をうまく回すポイントは密接なコミュニケーションです。私はこれまで人見知りをした経験がありません(笑)。その性分を生かし、たとえ初対面の方でも先入観を持たず、フラットな視点で接することで、職場のいい雰囲気をつくることを心掛けています。
2019年に異動し、現在はNTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)のNW系・ボイス系サービスのオーダー抽出、足回り回線の手配、竣工の3チームを取りまとめるリーダーを担当しています。主な業務は、営業担当やサービス担当などの後方支援です。3チームを統括するリーダーなので守備範囲が広く、どこでミスが起きてもスケジュールに影響が出るので、責任は重大ですが、その分やりがいもあります。
社員のコートを脱がし組織をまとめる太陽になりたい
上司に呼ばれて「未来ワーキング」の辞令を伝えられたときは、申し訳ないのですがよく知らなかったので、ピンときませんでした。実際に参加してみると、そうそうたる顔ぶれが並んでいたのですが、皆さん聡明でやさしい人ばかりでした。アサインされたのは、おそらく人見知りしないコミュニケーション力が買われたのでしょう。メンバー同士をつなぐ橋渡しやインターフェイスとして、楽しくて心地よい雰囲気をつくることを期待されたのだと思います。
人づてに「三浦は未来ワーキング内で太陽のような存在。いつも笑顔で、いてくれるだけで場の空気が明るくなる」といった話があったと聞きました。それはちょっとおそれ多いのですが(笑)、たとえ相手にトゲがあるような第一印象であっても、絶対に受け入れを拒否しないだけなのです。人には多面性があるので、最初にレッテルを張ってしまうと、後に良い面を発見する機会を逃します。もしかしたら、生涯の友になれるくらい気が合うかもしれない。そんな気持ちをみんなが持って仕事をすれば、もっと楽しくなるのではと思っています。とはいえ、仕事ですから楽しいことばかりでもありません。それでも働く環境は、常に心地よく、ストレスフリーにしておくに越したことはないと思っています。
おそらく未来ワーキングのメンバーはもちろん、コムエンジの社員たちも、みんなが楽しく働けるいい会社にしたいという思いは同じでしょう。まずは未来ワーキングで作ったミッション、ビジョン、バリューを全社に浸透させ、未来に対する気持ちを1つにすることを目標に取り組んでいきたいと考えています。
いずれはコミュニティの枠をコムエンジ全体に広げ、誰もが笑顔で楽しく働ける魅力的な会社を目指したいです。童話「北風と太陽」では、北風が強く吹きつけても旅人はコートを脱ぎません。一方、太陽は暖かい日差しでコートを脱がせます。強く当たるのではなく、温かく柔らかく接することで人は心を開き、組織はまとまっていくのではないでしょうか。
OFF TIME
もともとインドア派なので、コロナ禍のリモートワークに対するストレスはありません。いまは快適な居住空間づくりに向けた断捨離を進めています。料理が好きなので、「15分で3品つくる」と勝手にルールを決めてクリアするタイムレースも楽しんでいます。自慢のスキルは“高速千切り”です(笑)。
PROFILE
三浦 まゆ
2016年、NTTコム無料 スロット マシンリングに入社。現在はSOデリバリユニットでボイス系サービスのオーダー抽出、手配、竣工の3チームを取りまとめるリーダーとして業務に当たる。“人見知りゼロ”の圧倒的なコミュニケーション力で、万人を受け入れる懐の広さ、深さを持つ。