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安藤 瞭佑

未来ワーキング

保守を“守り”から“攻め”に転換した手腕で
コムエンジをマルチプレイヤー集団に導く

安藤 瞭佑

ロジカルな数学者がNTTグループを目指した理由

ロジカルな数学者がNTTグループを目指した理由

出身は九州の大分なのですが、父の転勤で10歳ごろ東京に移り住みました。中学・高校と数学が得意科目で、もともと好きだったこともあり、大学は理工学群数学類を専攻。当初は教職に就くことを目指していました。大学では数学全般を勉強し、卒業研究ではひもの結び目を数学的に解析する幾何学「結び目理論」に取り組みました。どんなものか説明しますと、靴ひもを結ぶ際、ちょっとした違いで縦結びや横結びになりますよね。これを数学的に明らかにするという、少しだけマニアックな学問です(笑)。

結果的に、卒業後は教職の道に進みませんでした。在学中、塾講師のアルバイトをした際に「向いてない」と気づき、早々に方向転換したのです。そこからスパッと一般企業への就職希望に舵を切れたのは、やはりNTTグループで働く父の背中を見てきたことが影響しています。2011年の東日本大震災では、当時NTTドコモに在籍していた父は単身で東北に1カ月ほど出向き、復興の一役を担う業務に取り組んでいました。その姿を目にして、大変な仕事だと思う一方、通信は暮らしを支える重要なインフラであることを実感し、通信キャリア系の企業を志望するようになりました。

実際、いくつか通信キャリア系企業をエントリーしたのですが、やはり本命はNTTグループでした。しっかりした教育体制があるので、専門外の自分でも仕事が覚えられるし、充実した福利厚生によりワークライフバランスが取りやすそうなところも魅力でした。いくつか内定をいただいたのですが、いちばん最初に内定をもらったNTTコムエンジニアリング(以下、コムエンジ)への入社を決断しました。決め手は、ITインフラを支える運用保守の最前線で働けることでした。

新天地の仙台でコロナ禍の難題に立ち向かう

2014年、最初に配属されたのは、NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)が提供する法人向け国内ネットワークサービスの故障受付を一手に担うTOCのスーパーフロント(保守窓口)です。24時間365日体制の保守窓口でオペレーターとして勤務し、お客さま対応のスキルを身に着け、ネットワークやインフラに関する知識を深めていきました。ときには泊りの勤務もありましたが、それほど苦にはなりませんでした。自分が休みたいときにしっかり休めるので、むしろ働きやすいのです。仕事を覚えていくうちにオペレーターを取りまとめるリーダーになり、窓口の運用ノウハウを学ぶこともできました。

TOCに勤務して約5年を迎えたころ、「そろそろ新しい環境で経験を積みたい」という思いが日増しに強くなっていました。そのようなタイミングで、コムエンジが仙台にあるフロントセンターの運営を引き継ぐことが決定しました。センターを移管するための仙台準備室が立ち上がるという話を聞き、渡りに船とばかりに仙台行きを志願します。当時は独身で身軽だったこともあり、期待に胸を膨らませて新天地へと乗り込みました。3カ月で業務を移管するというタイトなスケジュールでしたが、TOCでの経験とメンバーの尽力により、予定通り運営をスタートさせることができました。

現在は現場で働くオペレーターの支援を行いながら、窓口の運営に必要なシステムの準備や展開を行う業務に携わっています。長引くコロナ禍のセンター運営では、現場の密を避けるために出社率を下げる必要があるため、リモートワークへの移行は火急のミッションです。とはいえ、従来の業務体制はセキュリティ対策がガチガチに固められているため、移行は容易ではありません。昨年から約1年がかりで、顧客情報を守るための安全性を維持しながら、自宅などでも電話が取れ、顧客情報を閲覧できる仕組みづくりをトライアンドエラーで進めてきました。現在、リモートワーク率は5割に達しており、このペースでどんどん拡大していきたいと考えています。

新天地の仙台でコロナ禍の難題に立ち向かう

垣根を取り払った「なんでもできる」未来へ

垣根を取り払った「なんでもできる」未来へ

これまで、一貫してセンター運営に関わる業務に取り組んできましたが、私はお客さまからの電話を受けることだけがセンターの仕事だとは思っていません。それだけでは人件費を抑える、効率化を進めるといったコストの“引き算”でしか成果が示せないからです。そこで、増収につながる“足し算”の成果を出すために取り組んだのが営業支援の施策です。

日々、保守窓口には「ベストエフォートサービスのネットワーク混雑」に関するお問い合わせが多くあります。この状況を担当営業にも伝えることで、サービスのマイグレーションにつながると考えたのです。ちょうどNTT Comからベストエフォートのボトルネックを解消するIPoE接続サービスがリリースされた時期でもありました。そこで、お客さま設備の混雑状況を可視化したデータを交え、IPoEへの切り替えで見込める効果を示す提案資料のひな型を作成し、担当営業に渡すようにしたのです。この施策により、いままで約50件のマイグレーションにつなげています。

「未来ワーキング」の存在はアサインされる前から知っていて、非常に興味を持っていました。面白そうな取り組みだなとは感じつつも、いまひとつ中身が見えてこないのです。そんな矢先、未来ワーキングに関する社員向けのアンケートが届いたので、ちょうどラブレターを書くような気持ちで、コムエンジの未来に対する考えを丁寧に長文で書いたところ、熱い気持ちが通じたのかメンバーに選任されました(笑)。参加してみて感じたことは、柔軟な発想を持ち、新しい挑戦にどん欲なメンバーたちと一緒に未来のことを考えることの楽しさです。私と同様にまだ中身を知らない社員が多いので、今以上に周知を徹底して、全社を巻き込んでいくことが直近の目標です。

現状は保守の仕事をしているのですが、将来的には経営企画部門などオーバーヘッドで会社の進む道を考えていくような仕事を経験したいと考えています。組織全体を見渡して縦割りを解消し、全社一丸となって突き進む体制をつくり、コムエンジをマルチプレイヤー集団にすることを目指したいです。さらに業務領域を拡大して、「なんでもできる」会社に進化させるのが夢です。常にいまの状況を冷静に受け入れて、絶対に気を抜かない。そしてチャンスがあれば率先して飛び込んでいく。「人間万事塞翁が馬」、“守り”の保守を“攻め”に切り替えたように、運や不運はとらえ方次第で簡単に変えることができると信じています。

OFF TIME
仙台は、緑は多いのにクルマが無くても暮らせるほど便利な住みやすい街です。2021年9月に子どもが生まれる予定なのですが、子育てにも適している街なのではと感じています。私自身は一旦仕事のスイッチをオフにして、1年間育児休暇を取得し子育てに専念したいと考えています。現在、業務の引き継ぎを進めているところですが、ワークライフバランスを取りながら働けるコムエンジの職場環境は、ありがたいですね。

安藤 瞭佑

PROFILE

安藤 瞭佑

2014年にNTTコムエンジニアリングに入社。東京、仙台をわたり歩き、保守窓口の運営全般に関わる業務に従事する。保守窓口をコストセンターからプロフィットセンターへ転身させるべく、増収化を図る施策にも取り組んでいる。「人間万事塞翁が馬」を胸に、好機を伺い、決して気を抜かない気概を持つ。

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