興味の赴くままに、人生の流転を謳歌する
出身は岩手県ですが、父が転勤族で3年ごとに全国各地を転々としていました。子どものころは野球や虫捕りなど外で遊ぶのが好きでしたが、中学1年の夏に茨城に引っ越してからは、ゲーム好きの帰宅部になります。同時にバイクに興味を持ち始め、高校進学後はコンビニなどのバイトでお金を貯めて、二輪免許を取得。ホンダのCBRというバイクを購入し、ツーリングを楽しんでいました。
大学は生物学部に進み、植物生態学の研究室に入ります。植物の調査・研究に興味があったことに加えて、フィールドワークでキャンプをするのも魅力的でした。尾瀬を訪ねて、ハイカーが立ち入れない場所を調査できたことは、貴重な経験でした。在学中に学生結婚し、卒業後は公務員試験を受け、地方自治体の職員になります。就職した際、最低3年は続けようと決めていました。3年経ち、世間は不景気で、周囲からは「もったいない」といわれましたが、自分の進むべき道は別にあるのではないかという思いがあり、それを模索するために、退職します。
退職後は、妻と一緒にワーキングホリデーでニュージーランドへ渡る予定でした。海外で自分のことを見つめ直し、次の展開に思いを巡らせたかったのです。ところが、ビザを取得し、飛行機のチケットを手配しようとした矢先、妻の妊娠がわかりました。タイミングはともかく、ずっと望んでいたので心からうれしかったですね。その結果、渡航は取りやめになり、とりあえずアルバイトをすることになります。1年半くらい経ったとき、友人の誘いで、NTTコミュニケ―ションズ(以下、NTT Com)の委託業務を始めたのが、いまの仕事につながっています。
デリバリの現場で企業活動を支えて
社会に貢献する
担当は、デリバリ関連業務でした。お客さまのオーダーやご要望がスムーズに進めば、デリバリ担当が苦心する機会はそれほどありません。お客さまからの短納期要望や工事業者の繁忙状況などにより、「うまく進まない」「話が違うのでは」というようなことはままありました。そんな状況をやりくりして、お客さまのご要望通りの期日に間に合わせたときには、達成感が得られます。特に数百拠点の大規模な案件になるほど、トラブル調整が多くなるため、いかに納期通りに完了させるかが腕の見せどころです。
当時は派遣社員でしたが、キャリアを積むにつれ、サブリーダーを任せられようになり、後から入ってきたメンバーを指導する機会も増えていきました。感覚的にデリバリの現場は面白みがあり、自分の性分に合っていたと思います。全国規模のお客さま(金融関係)の企業活動を下支えすることで、少なからず社会に貢献できることに誇りを持っていました。気付けば、派遣社員として十数年が過ぎていた折、慣れ親しんでいたデリバリ業務の求人募集を知り、いまよりも会社に貢献できるのではないかと考えた上で応募し、NTTコムエンジニアリング(以下、コムエンジ)の正社員になります。
社員になってからも所属組織は同じで、デリバリマネージャーとして勤務していました。2年半ほど経ったところで人事異動となり、現在の契約業務・事業計画業務を担当することになります。これまでのデリバリとは全く異なる業務でしたので、しばらくは戸惑いました。飛び交う用語の内容がよくわからないので、会議の後などには、上長や先輩に「あの言葉はどういう意味ですか」「何をすればいいのですか」と何度もしつこく聞いていたことを覚えています。その甲斐があったのか、徐々に仕事が楽しく感じるようになっていきました。
働く人々を応援したい">
収益の柱となる契約締結で
働く人々を応援したい
現在、主にNTT Comとの受託契約のとりまとめや契約締結を担当しています。コムエンジにとって、NTT ComのVC業務は収入の大きな柱です。各契約の収入を事業計画に反映させ、適切な収支管理や経営判断に貢献することが私の役割です。さらに、最近では支出の大きな部分を占める派遣契約業務にも携わりつつあります。裏方的な立ち位置ではありますが、コムエンジで働く皆さんを応援する仕事です。デリバリの現場も、営業担当やお客さまを下支えし、応援する立ち位置だったので軸は変わっていません。このような、バックヤードで誰かをサポートする仕事は、かなり性に合っていると感じています。
中でも会社の収益の多くを占めるような大きな契約の取りまとめは、長期間にわたり社内外でのすり合わせが必要な複雑かつ難しい業務です。社内への影響も大きいため、プレッシャーも感じます。ときには、お互い譲れないポイントで白熱したやりとりが行われることもあります。それだけに無事に締結できたときは、ほっとする瞬間です。コムエンジの皆さんが業務を推進するために必要な最初の土台を築き、重要な社会インフラである日本のIT基盤のサポートにつながる仕事にやりがいを感じています。
大きな契約の締結後は、社内で感謝されることもあります。もちろん、ありがたいのですが、もしそのような言葉がなくても、自分がやるべきことをきちんと遂行することで、会社や社会に貢献できている感覚があれば十分満足できます。「5年後の自分のイメージ」を聞かれることもありますが、正直、得意な質問ではありません(笑)。あえて言うならば、会社から託された居場所で、しっかり社会に貢献し、誰かを応援していきたいという思いがあります。
振り返ると、多くの方の指導や助けのおかげで、仕事を覚え、貢献することができています。これまでの部署でも、いまの部署でも上長や先輩、チームメンバーに恵まれていると実感しています。また、一人では完結しない仕事ばかりで、多くの方の協力が欠かせないことから、良い連携を保ちつつ、どんどん前に進んでいきたいですね。
座右の銘は、修道女でノートルダム清心学園理事長を務めた渡辺和子さんの著書名「置かれた場所で咲きなさい」です。小さいころから全国を転々としていたせいか、この言葉に出会う前から、流れに身を任せつつも、その場その場で目の前にあることを誠実に行うことを心掛けていました。ですから、まさに自分の姿勢や生き方を表していると感じました。必ずしも、流れた先が望んだ場所になるとは限りませんが、自分が置かれた場所で精いっぱい咲ききることを大切にしたいと思っています。
OFF TIME
休日は家族や地元の友人と過ごすことが多いですね。運動不足を解消するため、週1回のジョギングも欠かせません。自宅ではドキュメンタリー番組などを観ます。特に人間の本質が垣間見える歴史物(戦争・紛争などが中心)、冒険系の作品を観ることが多いです。どのような人物でも良い面・悪い面があること、多角的な評価が必要であることなどを知ることができたりするので、いい学びになっています。
PROFILE
前田 顕
2017年NTTコムエンジニアリングに入社。長年、デリバリ業務の現場で培ってきた経験を生かしデリバリマネージャーとして勤務した後、現在は受託契約のとりまとめや契約締結を担当している。常に託された居場所で誠実に業務を遂行し、働く人を応援すること、社会インフラであるIT基盤を支えることに誇りを持ちつつ、“置かれた場所で咲く”人生を前向きに進んでいる。